京都大学大学院医学研究科環境衛生学分野

京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻環境衛生学分野

とうとう出ます!入門書

「感染症疫学」の入門的専門書が、とうとう金芳堂から出版されることになりました。流行対策に係るデータ分析のため、どうしても遅くなりがちで申し訳ありませんでした。西浦博編著「感染症疫学のためのデータ分析入門」です。9月17日からAmazonなどで予約開始、10月中配本予定です。

教科書

 以下が目次と概略になります。
chapter1  感染と感染症のメカニズムと疫学的指標
 感染症疫学の特徴、感染症疫学の基礎、感染症疫学で使われるその他の用語
chapter2 感染症の自然史
 自然史と感染症サーベイランスのデータ:診断バイアスの問題、自然史の時間経過、潜伏期間の有用性
chapter3 感染性と重篤度の評価
 感染性の評価、重症度の評価
chapter4  アウトブレイク調査:能動的サーベイランス
 能動的サーベイランス、症例定義、記述疫学、仮説の検証
chapter5 感染者割合の推定
 感染者割合の分析、診断検査データを活用した感染者割合の推定、逆計算法を利用した感染者割合の推定、捕獲再捕獲法を利用した感染者割合の推定、血清疫学調査の活用
chapter6 予防接種の評価
 感染症と免疫、予防接種の集団レベルの評価、予防接種の個人レベルの評価、予防接種の政策評価
chapter7  受動的サーベイランスとそのデータ分析
 サーベイランスの定義、サーベイランスに関わる用語、サーベイランスの構成要素、サーベイランスの利用、受動的サーベイランスの問題点
chapter8 アウトブレイクの早期検出
 アウトブレイク検出のコンセプト、アウトブレイクの定量的な定義問題、アウトブレイク検出のためのサーベイランスの実際 chapter9 感染症数理モデル入門
 短期的な感染症流行の特徴、コンパートメントモデル、アウトブレイクを起こす条件、アウトブレイク初期の感染拡大の速度、集団免疫閾値、最終規模(累積罹患率または流行サイズ)、人口の異質性
chapter10 流行のモニタリング
 実効再生産数、実効再生産数の種類とその推定、実効再生産数の統計学的推定における注意点、R 言語を用いた推定
chapter11  2次感染のバラつきと流行発生確率
 2次感染はバラつく、大規模流行の確率、流行収束

これに引き続き、感染症数理モデルに関する専門書を日本評論社から、入門的専門書を金芳堂から年内に出版すべく作業をしており、今後もこのWebsiteで案内する予定です。

 
小林さんの紅葉

連絡先

京都大学大学院医学研究科
社会健康医学系専攻
環境衛生学分野
606-8501 京都市左京区吉田近衛町
TEL:075-753-4456
FAX:075-753-4458
E-mail: conatct(at)hyg.med.kyoto-u.ac.jp